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盤共に非常に状態の良いでございます。
オーディオ・ファンに定評のあるかのAudio Fidelity社で御馴染み 名マスタリング・エンジニア Kevin GrayとSteve HoffmanによるSACD化がミソ。非常にアナログ感が強い非常に良心的な音質でございます。
アナログにせよ、CDにせよ、SACDにせよ、ハイレゾにせよ、マスターテープの再現が一番重要でございますが、ここ近年オーディオ・ファンから「マスターテープを一番再現していたのはアナログ盤ではないか?」との指摘が挙がり、
嘗ての名マスタリング・エンジニア故George Marino等が手掛けた当時のアナログ盤が高値で取引されるここ昨今でございます。
されど、こちらにはスクラッチノイズはございませんが.............................................
内容は言わずもがな。
ラインナップは名手揃い、Duke Jordan(P)、Dizzy Reece(Trumpet)、Stanley Turrentine(Sax)、Reginald Workman(B)、Art Taylor(Ds)となります。
1960年8月4日 アメリカ ニュージャージー州エングルウッド・クリフス (非常に優れた音響で知られるかの名スタジオ)”Van Gelder Studio”での制作となります。
プロデューサーは御馴染みレーベルオーナーも兼ねるAlfred Lion、エンジニアは色々と曰くのある(笑)Rudy Van Gelderでございます。
御存知!”Blue Note”制作でございます。
モダン・ジャズ期末期の制作でございます。
スイング系ジャズの名盤と知られる今作でございますが、案外泥臭さがないもの。加えて非常にメロディアス重視がミソでございます。
そもそもDuke Jordanはスイング系とは言えど案外泥臭さがなく飄々としたメロディアス重視の端正な演奏スタイルで非常に希少な感がございます。
されど、ここではホーン奏者二名の個性を立てる感があり、また楽曲・アンサンブル重視という秩序立ち非常に整った感のある音楽性。
ゆえに(質は非常に高いものの反比例して)難解さが非常に薄いもので非常に聴き易い音楽性、ジャズとは?モダンジャズとは?という疑問に打って付けという感がございます。
その後の六十年代はフリージャズ全盛~クロスオーヴァー前夜という感があり、ジャズが難解化。またロック音楽の台頭そして六十年代から七十年代前半はその多様化という時代。
また「Milesの造るジャズがジャズの未来となる」とまで言われた偉人Miles Davisが「何故若者はロック音楽に熱狂するのか?」と嫉妬交じりでロック音楽に接近。
Duke Jordanの様なスイング系ジャズ・ミュージシャンは脇に追いやられる事となります。
1970年代に入り、デンマークのジャズ愛好家の出資で”SteepleChase”レーベル設立。Duke Jordanはアプローチを受け契約。制作に招かれ、「Flight to Denmark」等の大傑作を制作。
そもそもヨーロッパにはソウルやブルーズがない代わりにクラッシック音楽が存在。
Duke Jordan自身もジャズ巨匠レベルではあっても案外泥臭くない感覚の希少な演奏者でメロディアス重視という事もあり、制作で組んだ地元デンマークのジャズ・ミュージシャンと邂逅。
そのクラッシック音楽から観たジャズという独特の感覚と融合、後々に大きく注目を浴びる「ヨーロピアン・ジャズ」へ枝分かれするという感がございます。
後々の経緯があり、クラッシック音楽絡みのヨーロピアン・ジャズの起源とも原点とも言える感がある今作。
また、今作制作当時に北欧ジャズ系の巨匠名手と言われ、後にかのStan Getzと作品制作を行う名手故Jan Johansson(HR/HM、プログレ/ジャズ・ロック系で御馴染みJohansson兄弟の父)の演奏感に繋がる感があり、
非常に興味深いものでございます。
今作制作の後にジャズが難解化し更には多様化したロック音楽に接近、またその難解系ジャズがロック系ファンに持て囃される事となる時代へと移り変わってまいります....................
「世が如何移り変わろうとも、私は私」と飄々と美しいフレーズを紡いでいくDuke Jordan。
「美しいものを美しく奏でる」という信念の持ち主という感がございます..............................................
現在ではこの仕様は入手が非常に困難。この機会に是非。
注:発送方法は変更になる場合がございます。宜しく御願い致します。